オーストラリアの大学への留学をお考えですか。
まず知っておきたいことはオーストラリアの大学留学の学費はおそろしく高いです。とくにフィジオセラピストなど医療系は年間200万円以上かかります。しかしほかの国に留学するならオーストラリアはかなりおすすめです!
なぜならオーストラリアの大学留学はほかの国にはない大きなメリットとして18か月~4年の卒業生ビザがあります。そして学生ビザでアルバイトができます。
うちの娘は2015年に渡豪し2019年オーストラリアの大学を卒業しました。そしてフィジオセラピストになり永住権を取得しました。
この記事ではその時の経験をもとにオーストラリアの大学へ留学するための情報をお届けします。留学費用がいくら掛かったのか、生活費はいくらか、永住権をとるまでの流れを実際の画像付きでご紹介します。
この記事を読むとオーストラリアの大学へ留学する流れや、オーストラリア留学をおすすめする理由が分かります。
オーストラリア留学を考えている方特にフィジオセラピストを目指している方はかなり参考になると思うのでぜひ最後までお読みください。
日本からオーストラリアの大学へ留学する流れ
日本からオーストラリアの大学へ留学を希望する場合、IELTSの点数によって進学方法が変わります。
IELTSの求められる点数は大学や専攻により違いますが、ここでは留学を考える人が参考にできるよう大まかな目安をお伝えします。
詳細な入学条件は希望大学の入学要項を確認ください。
IELTSが5.0以上の場合:
①IELTS6.0以上と高校の成績3.5以上の場合 ⇒ 大学入学 (学部によってはファウンデーションコースが必須のところがあります。)
②IELTS5.0以上 ⇒ ファウンデーションコース ⇒ 大学入学
①語学学校でIELTS5.0以上を取る ⇒ ファウンデーションコース ⇒ 大学入学
②語学学校でIELTS6.0以上を取る ⇒ 大学入学 (学部によってはファウンデーションコースが必須のところがあります。)
IELTS5.0以上取ったけど英語に不安がある人はファウンデーションコースの前にEPA進学準備コースを取る場合もあります。
このようにオーストラリアの大学へ留学するためにはIELTSの英語の資格が必須になります。
オーストラリアの大学へ留学する英語の資格
オーストラリアの大学留学で大切になるのが英語の資格。
日本でよく知られているTOEICは留学では使えません。
留学のための英語の資格はTOEFLとIELTS。違いを大まかにいうとTOEFLはアメリカ系の大学留学、IELTSはイギリス系の大学留学のための英語の資格です。
オーストラリア留学の英語の資格IELTS
オーストラリアはイギリス系のためIELTSが必要です。
日本の高校を卒業してオーストラリアの大学に留学する場合の目安は上記でもお伝えしましたが、IELTS6.0以上と高校の成績3.5以上。
IELTSは日本で勉強することが可能です。オーストラリアで語学学校に通うと高い学費や生活費がかかります。できるだけ日本でIELTSの高得点が取れるようオーストラリア留学を希望する人は日本でIELTSを勉強して資格を取るいいですね。
IELTSが勉強できる日本のスクールをまとめました。
【おすすめIELTS対策スクール総まとめ】オーストラリア留学の英語資格は日本で!
オーストラリア留学英語の資格IGCSE
イギリス系のインターナショナルスクールで勉強するIGCSEというイギリスの義務教育終了試験を受けてオーストラリア留学する方法もあります。
インターナショナルスクールと聞くと自分には関係ない話と思うかもしれませんが、このIGCSEはインターナショナルスクールに通わなくても受験することができます。
ブリティッシュカウンシルで受験できますので、興味のある方は直接聞いてください。
https://www.britishcouncil.jp/exam/other/school/cambridge-igcse-a-level
IELTSとIGCSEについてさらに詳しくはこちらの記事をどうぞ。
【オーストラリア留学したい人へ】必要な英語の資格、IELTSやIGCSEとは
オーストラリアの大学の準備コース
海外の大学へ留学するために、いくつかの大学の準備コースがあります。
主な準備コースはこの3つです。
-
- IB(国際バカロレア)コース(準備コースとはちょっと違いますが)
- Aレベル
- ファウンデーションコース
IBコースは日本で国際バカロレア認定校で勉強します。大学入学基準のスコアを取るとそのまま大学入学できます。
AレベルはIGCSEを受けた人がインターナショナルスクールで受けるコースです。Aレベルの成績が入学基準を満たせばそのまま大学入学できます。
ファウンデーションコースは現地で受ける準備コースで日本の高校を卒業してIELTSで留学する場合、IELTSの点数が足りない人はまず語学学校で勉強してからファウンデーションコースを受けます。
学部によってはIELTSで必要な点数が取れていても、ファウンデーションコースが必須のところもあります。
またIGCSEで留学する場合はオーストラリアでファウンデーションコースを受ける必要があります。
ファウンデーションコースについてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
【オーストラリア留学経験より】大学準備のファウンデーションコースについて
オーストラリアの大学の留学費用はかなり高い
頑張ってIELTSの得点を取ってオーストラリアの大学へ行くとき、気になるのが留学費用です。
ここで英語圏の各国の1年間の大学費用はおおよそこれぐらいといわれています。
- カナダ 255万円
- ニュージーランド 295万円
- オーストラリア 340万円
- イギリス 355万円
- アメリカ 445万円
オーストラリアはアメリカ、イギリスに次いで3番目に高い国ですね。
オーストラリアの大学の実際の学費を公開
娘に届いた大学からの実際の学費をシェアします。
娘が通ったのはオーストラリアのアデレードにある南オーストラリア大学フィジオセラピスト課です。
そのときの入学許可書はこちら。
娘のコースは「Bachelor of Physiotherapy(理学療法士科」 です。
フィジオセラピスト課は定員があり入学が難しい学部の一つなので、決まったときは嬉しかったです。

でもこの後の学費を見て血の気が引きました…
こちらは先ほどの書類と一緒に送られてきたものです。
日本の理科系私立大学の平均が1年間約150万円なので、それよりはるかに高い学費です!
その他これぐらい留学費用が掛かりますよという参考が記載されています。
合計:$21,000-$22,000 (約153万円ー160万円) |
ざっと見積もって1年間400万円弱は必要になるという計算です。
学部によって違いますが、実際これほど高いです!
オーストラリアの家賃はルームシェアで1部屋を借りる場合1週間で$150ー$250(約1万1千円ー1万8千円)ほどです。学生寮の費用も大体このぐらいです。
学生寮についてはこちらの記事で詳しく書きました。興味のある方はどうぞ。
【オーストラリア留学の学生寮】費用は?トラブルは?パースの大学体験より
オーストラリアの返済不要の奨学金
オーストラリアの大学には奨学金があります。そのほとんどが卒業後に返済する必要がありません。
授業料の高いオーストラリアで返済不要の奨学金は希望者がとても多く、取得するのはかなり難しいです。
また大学の学費が高い場合、奨学金をもらったけど奨学金のない他の大学の方が安い場合も出てきます。
娘の場合、パースのカーティン大学で30%の奨学金がもらえました。しかし娘が通った南オーストラリア大学とカーティン大学で30%の奨学金をもらった金額はほぼ同じでした。

オーストラリアで大学に行く場合奨学金も調べたほうがいいですが、学費をよく比べて検討するのも必要です。
奨学金で気を付けたいことはこちらの記事に書きました。留学前や大学入学前の人はぜひ読んでください!
【オーストラリア留学の返済不要の奨学金】ファウンデーションや大学でもらえます!
オーストラリア大学の高い学費を助けるアルバイト
高いオーストラリアの大学の学費を払うので精一杯の親を助けるために、留学生はアルバイトで生活費を稼ぎます。
オーストラリアの大学留学で救いなのは学生ビザでアルバイトが許されていることです。
これがアメリカやカナダなどへ行くとアルバイトはできません。
休暇中は時間制限なしで就労ができる
物価の高いオーストラリアはアルバイトの時給も高く法定最低時給は$17.70(約1,300円)。
慣れてきたり、土日に働くと時給が上がります。
フィジオセラピスト課の生徒は病院やクリニックでアシスタントのバイトがあります。土日に働くと時給$45(約3,300円)というかなり割のいいバイトができる可能性もあります。
ただ学生ビザは一定の出席率(各タームの80%)をクリアすることが条件です。
働いてばかりで学校に行かないと学校から移民局に通達され、学生ビザがキャンセルされますので、バイトに明け暮れないよう気を付けてください。
卒業条件の厳しいオーストラリアで大学とバイトの両立はかなり大変です。
「親がお金を出せないからバイトして単位を落とした」
「バイトのせいで卒業できなかった」
こんな風に「他の人のせいにして言い訳する」なら、日本の大学や学費の安い別の国を探した方がいいと思います!
オーストラリア大学留学の卒業生ビザ
なぜ高い学費を出してまでオーストラリアの大学へ留学したいのか。
オーストラリア留学の大きなメリットは卒業生ビザがあることです。
オーストラリアへ留学のメリットとしてよくいわれるのがこの5つ
- 温暖で過ごしやすい
- 比較的治安がいい
- 留学生制度が整っている
- 就職したら給料がいい
- 永住権が取りやすくなる

一番のメリットは卒業生ビザです!
卒業生ビザ
オーストラリアの大学を卒業すると18か月~4年間働くことができる卒業生ビザが申請できます。
卒業してからこのビザを取得するとそのままオーストラリアに住むことができ、就職することができます。
卒業生ビザがない国では在学中に就労ビザをくれる会社を探さないといけません。就労ビザは条件が厳しく、企業側もお金と手間がかかり、新卒者に就労ビザを出して雇ってくれる会社を探すのは容易ではありません。
イギリスの大学を出て就職が見つからず泣く泣く帰ってきた人もいます。
*イギリスは2021年7月1日から新しくGraduate Route(卒業生ビザ)が導入されました。
卒業生ビザを取得して就職すればその間に経験を積むことができます。会社の役に立てば就労ビザも考えてもらえます。
卒業生ビザについては実際に娘が取得した卒業生ビザの画像を入れて別記事で詳しく説明しています。
オーストラリア留学一番のおすすめ!大学卒業後の就職は卒業生ビザで働ける!
そして卒業生ビザの間にもう一つできることがあります!
卒業後に永住権の申請
現在オーストラリアで永住権を申請できるのは以下の人です。
- オーストラリア人と結婚した人
- オーストラリアへ投資している人
- 会社からスポンサーをもらった人
- 州からスポンサーをもらった人
- 特殊スキルが’ある人
永住権はどこの国でも条件が厳しくハードルが高いです。
その中でも暮らしやすく、給料が高く、オーストラリア国民と同じ福祉が受けられるオーストラリアの永住権は人気が高く、申請者が増えて条件が厳しくなっています。
2.のオーストラリアへ投資して永住権を申請する場合はオーストラリアで最低$150万(約1億1千万円)以上の投資活動を最低3年以上続けなければいけません。
しかも申請条件なので投資したから必ず永住権がもらえる訳ではありません。
大学を卒業して永住権を申請する場合、3,4,5が可能性として出てきます。
オーストラリアの永住権はポイント制です。さまざまな条件でポイントを増やし永住権を取得します。
そこで大学を卒業すると学歴ポイントが付いたり、卒業して就職すれば職歴ポイントがもらえます。
高い学費も永住権を取る費用と考えるとかなりお得です。
しかも大学を卒業すれば資格も取れてスキルアップできるなら断然いいのではないでしょうか。
オーストラリア人の生徒は義務教育もただ、高等教育も政府がかなり負担してくれます。学生の学費負担は30%弱ですむようです。
永住権を取ればオーストラリア人と同じ学費です。

オーストラリアで大学を卒業し永住権を取ってから大学院に進めば学費はかなり安くなります!
永住権ってそんなに大事なの?
日本に住んでいるとそれほど他の国の永住権が欲しいとは思わないかもしれませんが、発展途上国だとこの先進国の永住権は魅力です。
必死に働いても自国のお金が弱いと、海外へ行くと高くてやってられません。
その逆に先進国で働いてそのお金を自国に持ってくると優雅な生活が可能です。
今の日本も何があるかわかりません。
震災や通貨危機、経済破綻なんてことが起こったときいざ海外に住もうと思ってもほとんどの国では観光ビザしかもらえません。
観光ビザは30日や長くても90日ほど。そうなると数ヶ月で日本に戻らないといけないのです。
今の世の中たくさんの選択肢を持つことは大切なことではないでしょうか。
そんな時オーストラリア大学留学は大きく役に立つと思います。
フィジオセラピストで永住権取得
こちらが娘が取得した永住権です。オーストラリアのビザはメールで連絡が来るだけでパスポートに記載されません。本当にビザが取れているのか心配になります。
永住権の連絡もメールで来ました。
娘が取得した永住権はState and Territory nominated 190(S190)という州ノミネーション技術移住ビザです。州がスポンサーになって取るビザで取得から2年間はその州で働かないといけないという縛りがあります。
永住権を取るまでの流れ
簡単に娘が大学卒業時から永住権を取った時までのビザの流れをご紹介します。
- 2020年1月大学を卒業する前に卒業生ビザを申請
このとき学生ビザは3月までありました。学生ビザが切れた3月から卒業生ビザがおりる5月まではブリッジビザです。ブリッジビザとは今のビザが失効しても、新しいビザの申請が審査されている間はオーストラリアに滞在できるビザです。 - 卒業後卒業生ビザ(申請中)でフィジオセラピストとして就職
- 2020年5月卒業生ビザ取得
- 2020年10月永住権の申請開始
- 2021年3月永住権取得
【オーストラリアの大学留学の流れ】学費から永住権取得まで画像付きの体験談!のまとめ
オーストラリアへ留学させようと決めたとき大学の学費が高いからかなり迷いましたが、今は思い切って留学させて良かったと思っています。
オーストラリア留学のメリット・デメリットはこちらの記事にまとめました。
【オーストラリア大学留学体験より】オーストラリア留学のメリット・デメリット
心配していた生活費は最初の1年だけ送りましたが、そのあとはアルバイトでなんとかしてくれました。
そして卒業して卒業生ビザでそのまま就職。就職してから1年ほどで永住権を取ることができました。
このままお給料の高いオーストラリアで働いていれば大学費用は数年で取り戻せます。
職業リストは毎年更新されます。せっかく大学を卒業して就職したのに職業リストに載っていなかったとなると永住権を取ることができなくなるので、大学の専攻を選ぶとき気を付けないといけません。
医療関連、看護師、助産師、会計士、エンジニア関連など職業リストから外されないような職種を選ぶことが大切です。
専攻で迷ったときはエージェントに相談するといいですよ。うちもファウンデーションコースから大学入学、卒業生ビザまですべてエージェントのお世話になりました。

大学のキーパーソンと繋がっているエージェントは頼りになります!
エージェントのおかげで助かった経験はこちらの記事に書いています。
【オーストラリア留学体験談】海外留学でエージェントをおすすめする理由!
そしてなんといってもオーストラリア留学を考えるとき英語の勉強は必須です。
英語の勉強は日本でできますので、すぐにでも始めてくださいね!