IELTSのライティング試験で高得点を取るのは、多くの受験生にとって大きな壁となっています。
せっかくスピーキングやリスニングで良いスコアを取っても、ライティングで足を引っ張られてしまうのは、とても残念ですよね。
この記事では、IELTSライティングでよくある失敗例をTask1とTask2に分けて詳しく解説し、その克服方法を具体的なデータや事例を交えてご紹介します。
なぜこれらの失敗が起きるのか、その原因を深く掘り下げることで、より効果的な対策が見えてきます。
この記事を読むことで、これまで気づかなかった自分の弱点や、試験官が何を求めているのかを理解することができます。
この記事で学んだ知識を活かして、IELTSライティングの苦手意識を克服し、目標とするスコアを獲得してください。
・IELTSライティングの評価基準を深く理解できる
・自分の弱点を見つけ、効果的な対策を立てられる
・高得点獲得のための具体的な戦略を手に入れられる
IELTSライティングの攻略を理解して、高得点につながれば嬉しいです!
IELTSライティングの具体的な勉強法が知りたい方は、以下のページで紹介しています。
IELTSライティングの勉強法!高得点への最短距離を徹底解説
IELTSライティングの難しさと重要性
IELTSライティングは、多くの受験者が苦手とする分野のひとつです。
なぜそれほど難しいのでしょうか?
そして、なぜこれほど重要視されているのでしょうか?
まず、難しさの理由として、時間制限が挙げられます。
Task 1で20分、Task 2で40分という限られた時間内に、構造化された文章を書き上げなければなりません。
しかも、単に書くだけでなく、文法的な正確さ、適切な語彙の使用、論理的な展開など、多くの要素を同時に考慮する必要があります。
さらに、ライティングでは自分の考えを明確に表現する能力が問われます。
これは母語でも難しいタスクですが、第二言語で行うとなるとさらに困難度が増します。
しかし、このように難しいからこそ、IELTSライティングは重要なのです。
実際の学術や職業の場面でも、自分の考えを論理的に文章化する能力は不可欠だからです。
例えば、大学でのレポート作成や、ビジネスでの企画書作成など、ライティング能力は様々な場面で求められます。
また、ライティングスコアは overall バンドスコアに大きく影響します。
つまり、ライティング力を高めることは、IELTS全体のスコアアップにつながるのです。
難しいからこそ、多くの受験者がつまずく分野ですが、適切な戦略と練習を重ねることで必ず上達できます。
そこで、上達に欠かせない実際のよくある失敗例とその克服法を見ていきましょう。
IELTSライティングTask1での典型的な失敗例と克服法
IELTSライティングのTask1では、グラフ、表、図表などの視覚情報を解釈し、要約する能力が問われます。
ここでは、次のような失敗例が挙げられます。
・データの誤読
・重要ポイントの見落とし
・時間配分ミス
これらの失敗を減らすことで、スコアアップを目指しましょう。
ひとつずつ詳しく解説します。
データの誤読
IELTSライティングでは、多くの受験者がデータの誤読という罠に陥ってしまいます。
数値の見間違いやトレンドの誤解釈などが典型的な誤りです。
正確なデータ解釈のためには、慎重な確認と全体像の把握が不可欠です。
ここでは、データの誤読に関する典型的な失敗例とその克服法を見ていきましょう。
失敗例
・グラフや表の数値を正確に読み取れず、誤った情報を報告してしまう。
・例:25%を52%と読み間違える。
・データの全体的な傾向を見誤り、誤った結論を導き出す。
・例:緩やかな上昇傾向を「急激な増加」と表現してしまう。
・異なるカテゴリーや時期のデータを適切に比較できない。
・例:異なる単位で測定されたデータを直接比較してしまう。
・グラフや図表の一部分にのみ注目し、重要な情報を見逃す。
・例:凡例や軸のラベルを無視してしまう。
克服法
・解答を書き始める前に、グラフや表の全ての要素(タイトル、軸ラベル、凡例など)を注意深く読む。
・数値を二度確認し、概算で全体の整合性をチェックする。
・データ全体の傾向を理解するため、まず大まかな観察を行う。
・急激な変化と緩やかな変化を区別し、適切な表現を使用する。
・異なるカテゴリーや時期のデータを比較する際は、比較の基準を明確にする。
・単位や測定方法の違いに注意を払う。
・データ分析の手順を事前に決めておく(例:全体的傾向→主要な特徴→詳細な比較)。
・チェックリストを使用して、全ての重要な情報を確実に含める。
・様々なタイプのグラフや表を使って定期的に練習する。
・自分の解答を模範解答と比較し、改善点を見つける。
重要ポイントの見落とし
Task1の成功には、提示されたデータから重要な情報を適切に抽出し、報告することが重要です。
しかし、多くの受験者が重要なポイントを見落としてしまいます。
全体的なトレンド、極値、比較点などを見逃さないよう注意が必要です。
また、データが示す意味を深く考察することも大切です。
それでは、重要ポイントの見落としに関する失敗例と克服法を紹介します。
失敗例
・細かい数値ばかりに注目し、データ全体が示す傾向を見逃す。
・例:年ごとの変動に注目するあまり、10年間の全体的な増加傾向を報告し忘れる。
・最高値や最低値など、特筆すべきデータポイントを報告しない。
・例:売上高が急激に落ち込んだ年を無視してしまう。
・複数のデータセット間の重要な差異や類似点を指摘しない。
・例:二つの国の経済成長率を比較せずに、それぞれ個別に記述するだけ。
・一般的なトレンドから外れたデータポイントを見落とす。
・例:通常とは異なる傾向を示した特定の年や出来事について言及しない。
克服法
・データを分析する際のチェックリストを作成し、必ず全体的なトレンド、極値、比較点、例外を確認する。
・「What」(何が起こっているか)だけでなく、「Why」(なぜそうなっているか)も考察する習慣をつける。
・書き始める前に2-3分かけて、報告すべき主要ポイントをメモする。
・序論、本論、結論の構成を意識し、各セクションで触れるべき重要ポイントを整理する。
・様々なタイプのグラフや表を使って定期的に練習し、自分の傾向(どのような点を見落としがちか)を把握する。
・模範解答と比較し、自分が見落としたポイントを確認して、次回の練習に活かす。
・データが示す情報の「So what?(それがどう重要なのか)」を常に考える習慣をつける。
・複数の視点からデータを解釈する練習をする。
時間配分ミス
20分という制限時間内で、データを分析し、構造化された文章を書き上げるのは決して容易ではありません。
多くの受験者が時間配分に苦戦し、結果として不完全な解答を提出してしまいます。
効率的な時間管理と、優先順位の設定が成功の鍵となります。
ここからは、時間配分ミスに関する具体的な失敗例と克服法を見ていきましょう。
失敗例
・すぐに書き始めてしまい、全体の構成を考える時間を取らない。
・結果、論理的でない文章になったり、重要ポイントを見落としたりする。
・最初の段落に時間をかけすぎて、後半を急ぐことになる。
・例:導入部分を完璧にしようとして10分以上費やし、結論を書く時間がなくなる。
・書くことに集中するあまり、見直しの時間を確保できない。
・文法ミスや不適切な表現がそのまま残ってしまう。
・Task 1に時間をかけすぎて、より配点の高いTask 2の時間が不足する。
克服法
・20分の制限時間を厳守して練習を重ね、時間感覚を養う。
・タイマーを使用し、各セクション(プランニング、執筆、見直し)にかける時間を事前に決めておく。
・よく使う表現や文章構造をテンプレート化し、素早く文章を組み立てられるようにする。
・ただし、機械的にならないよう注意し、各タスクの特性に応じて柔軟に対応する。
・最も重要なポイントを最初に書き、時間が足りなくなった場合でも核心は押さえられるようにする。
・細かい数値よりも全体的なトレンドや主要な比較点を優先する。
・最後の2-3分は必ず見直しに充て、主に文法ミスや明らかな表現の誤りをチェックする。
・完璧を目指すのではなく、重大なミスを避けることに集中する。
・Task1は20分で完了し、残りの40分をTask2に充てるよう厳密に時間管理する。
・Task 1で時間オーバーしそうになったら、速やかに終わらせる決断力を養う。
これらの注意点を念頭に置きつつ、各項目の詳細な失敗例と克服法を理解することで、IELTSライティングTask1での成功率を高めることができるでしょう。
IELTSライティングTask2でありがちな失敗例と克服法
ここからは、Task2でありがちな失敗例とその克服法を解説します。
Task2では、以下のような失敗例が挙げられます。
・トピックからの逸脱
・論理展開の不足
・具体例の不足
順番に見ていきましょう。
トピックからの逸脱
IELTSライティングTask2では、与えられたトピックに正確に答えることが極めて重要です。
しかし、多くの受験者が質問の一部しか答えていなかったり、関連性の薄い情報を含めたりしてしまいます。
トピックからの逸脱は、内容の適切さを評価する採点基準で大きく減点される要因となります。
質問を正確に理解し、すべての要素に答えることが成功の鍵となります。
それでは、トピックからの逸脱に関する具体的な失敗例と克服法を見ていきましょう。
失敗例
・複数の要素を含む質問に対し、一部にしか答えていない。
・例:「賛成か反対か、その理由は?」という問いに対し、理由を述べずに賛否だけを述べる。
・トピックに直接関係のない個人的な経験や情報を多く含める。
・例:教育に関する質問に対し、自分の学校生活の詳細を長々と書く。
・質問の意図を正確に理解せず、的外れな内容を書いてしまう。
・例:「どのように解決するか」という質問に対し、問題の原因ばかりを説明する。
克服法
・解答を始める前に、質問を注意深く読み、キーワードに印をつける。
・質問の全ての要素に答えるよう、エッセイの構造を計画する。
・各段落を書き終えるごとに、トピックとの関連性を確認する。
・結論を書く前に、もう一度質問を読み直し、全ての要素に答えているか確認する。
・様々なトピックで練習し、自分の回答が質問に適切に答えているか評価する。
・模範解答と比較し、トピックへの適切な対応方法を学ぶ。
論理展開の不足
明確で一貫性のある論理展開は、説得力のあるエッセイの基礎となります。
しかし、多くの受験者が段落間のつながりを上手く作れなかったり、矛盾する意見を述べたりしてしまいます。
適切な論理展開がないと、読み手はあなたの主張を理解し、納得することが難しくなります。
一貫性のある構造と適切な接続語の使用が、論理的なエッセイを書く上で重要です。
ここからは、論理展開の不足に関する失敗例と克服法を紹介します。
失敗例
・段落間や文章間で矛盾する意見を述べる。
・例:最初に技術の利点を主張しながら、後半で技術の危険性を強調する。
・各段落の主題が不明確で、一つの段落に複数の異なる意見が混在している。
・文や段落間のつながりが弱く、アイデアの流れが分かりにくい。
克服法
・書き始める前に、各段落の主要ポイントを簡単にメモする。
・主張とそれを支持する理由や例を明確に区別する。
・各段落は一つの主要なアイデアに焦点を当て、それを支持する詳細を含める。
・PEEL(Point, Explanation, Example, Link)構造を使用して段落を組み立てる。
・文や段落をスムーズにつなぐため、適切な接続語(however, moreover, therefore など)を使用する。
・接続語のリストを作成し、多様な表現を練習する。
具体例の不足
Task2では、抽象的な主張だけでなく、それを裏付ける具体的な例や証拠を提示することが求められます。
しかし、多くの受験者が適切な例を挙げられなかったり、例を十分に説明できなかったりします。
具体例は、あなたの主張に説得力を与え、エッセイの質を大きく向上させます。
日頃から様々な分野の具体例を収集し、それらを効果的に使用する練習が重要です。
それでは、具体例の不足に関する失敗例と克服法を見ていきましょう。
失敗例
・具体的な例や証拠を提示せず、一般的な主張だけを述べる。
・例:「教育は重要だ」と述べるだけで、なぜ重要なのかを具体的に示さない。
・主張を適切に支持しない、または主題と直接関係のない例を使用する。
・例を挙げているが、十分な説明や分析がなく、主張との関連性が不明確。
克服法
・日頃から新聞や本を読み、様々なトピックに関する具体例を収集する。
・個人的な経験、歴史的出来事、統計データなど、多様な種類の例を準備する。
・Situation(状況)、Task(課題)、Action(行動)、Result(結果)の順で例を構成する。
・この方法を使うことで、例をより具体的かつ関連性の高いものにできる。
・例を挙げるだけでなく、その例が主張をどのように支持するのかを説明する練習をする。
・「この例が示すように…」という形で、例と主張を明確に結びつける。
・一つの主張に対して複数の例(個人的経験、一般的事実、統計データなど)を用意する。
・これにより、主張の信頼性と説得力が高まる。
これらの注意点を念頭に置きつつ、各項目の詳細な失敗例と克服法を理解することで、IELTSライティングTask2でより高いスコアを獲得するための準備を整えることができるでしょう。
IELTS試験官が重視するポイント
実際のIELTS試験官や採点者へのインタビューから得られた、高評価を得るためのキーポイントはこちらです。
・タスク達成度:与えられた課題に的確に答えているか
・一貫性と結束性:論理的な構成と適切な接続語の使用
・語彙の範囲と正確さ:多様で適切な語彙の使用
・文法的多様性と正確さ:複雑な文構造の正確な使用
それぞれを詳しく見ていきましょう。
タスク達成度
このポイントでは、与えられた課題に対して的確に答えることが重要です。
課題の要求を正確に理解し、それに沿った内容を明確に展開することが評価されます。
例えば、グラフや図表を説明する際には、主要なトレンドやデータの比較を適切に解説することが求められます。
また、以下のような指示語をしっかり理解することも大切です。
・discuss(議論する)
‐賛成意見と反対意見の両方を提示する
‐根拠となる証拠や例を具体的に示す
‐結論を明確にする
・compare (比較する)
‐共通点と相違点をリストアップする
‐機能、効果、原因など、様々な視点から比較する
‐比較した結果を結論としてまとめる
・evaluate (評価する)
‐効果、効率、費用対効果などを明確にする
‐賛成意見と反対意見を客観的に評価する
‐複数の視点から評価する
これらのポイントを参考に、様々な問題に挑戦し、自分の力で解答を作成できるようにしましょう。
一貫性と結束性
論理的な構成と適切な接続語の使用が、この評価基準の中心です。
段落間の論理的なつながりを確保し、段落内での情報の流れをスムーズにするために、適切な接続語や論理的な展開が必要です。
【接続詞の例】
・however
・therefore
・in addition
さらに、代名詞を適切に使うと、読み手が情報を理解しやすくなります。
語彙の範囲と正確さ
語彙の多様性と正確さは、高いスコアを獲得するための重要な要素です。
単語の選択が正確で適切であること、また同義語や関連語を使って意味を正確に伝える能力が求められます。
テーマに関連する専門用語を適切に使うことで、文章に深みを持たせられます。
語彙は毎日コツコツと増やすことが大切です。
文法的多様性と正確さ
複雑な文構造や文法の多様性を正確に使用することが、評価されるポイントです。
文法的な間違いや単純な文構造の連続よりも、シンプルでも文法的に正確で多様な文を使うことが、高得点を獲得するための必須条件です。
これにより、読み手に信頼性と専門性を伝えることができます。
経験豊富な講師やネイティブスピーカーに添削してもらうと、より客観的な評価を得られますよ。
IELTS ライティング:よくある失敗例と克服法 -試験官が重視するポイントのまとめ
IELTSライティングセクションは多くの受験者にとって大きな挑戦ですが、適切な準備と戦略により、高得点の獲得は十分に可能です。この記事で学んだ主要なポイントを振り返ってみましょう。
【Task 1での注意点】
1.データの誤読を避ける 2.慎重にデータを確認し、全体的なトレンドを把握する 3.数値やグラフの解釈を練習し、正確性を高める 4.重要ポイントを見落とさない 5.体系的な分析アプローチを身につける 6.極値や比較点など、重要な情報を確実に報告する 7.時間管理を徹底する 8.20分の制限時間を意識し、各セクションに適切な時間を配分する 9.テンプレートを活用し、効率的に文章を構成する |
【Task 2での注意点】
1.トピックから逸脱しない 2.質問を慎重に分析し、すべての要素に答える 3.定期的に質問に立ち返り、関連性を確認する 4.論理的な展開を心がける 5.明確な段落構造を使用し、一貫性のある主張を展開する 6.適切な接続語を使用して、アイデアの流れをスムーズにする 7.具体例を効果的に使用する 8.主張を裏付ける具体的かつ関連性の高い例を提供する 9.STAR法を活用し、例を構造化して説明する |
IELTS ライティングの成功は、単に英語力だけでなく、テストに特化したスキルの習得にもかかっています。この記事で紹介した失敗例と克服法、そして合格者の体験談を参考に、自分に合った学習計画を立てることが重要です。
継続的な練習と自己評価、そして必要に応じた戦略の調整を行うことで、着実にスキルを向上させることができます。IELTSは確かに挑戦的なテストですが、適切な準備と心構えがあれば、必ず目標スコアを達成できるはずです。
独学に限界を感じている方は、プロに相談するのがおすすめです。
IELTSのレッスンが受けられるスクールは、こちらの記事で紹介しています。