
オーストラリアにいるのに、まるでドイツの小さな村へ迷い込んだよう。
ハーンドルフ(Hahndorf)を歩いていて、そんな気持ちになりました。
わたしの長女はアデレードで暮らしていて、娘を訪ねたときに日帰りで足をのばしたのが、このハーンドルフです。
石造りの家並みと、赤や金色に色づいた並木。常夏のマレーシアで暮らすわたしには、その景色がまぶしいほど新鮮でした。
この記事では、皆さんが訪ねるときの参考になるよう、わたしが実際に見て食べてきたことを、写真とあわせてご紹介します。
- ハーンドルフがどんな場所か(オーストラリア最古のドイツ人町・アデレードから日帰り圏)
- 実際に楽しんだこと(本場のドイツ料理、ドイツ雑貨めぐり、紅葉の街並み)
- 行き方とベストシーズン(車・バスでのアクセス、紅葉が美しい秋、半日プラン)
アデレード全体の観光プランや街の回り方は、総合ガイドにまとめています。あわせてご覧ください。
ハーンドルフはどんなところ?オーストラリア最古のドイツ人町

結論からお伝えすると、ハーンドルフはアデレードから日帰りで行ける、ドイツ移民が築いた「オーストラリア最古のドイツ人町」です。
石造りの歴史的な建物と並木がつづくメインストリートは、まるでヨーロッパの田舎町のような雰囲気でした。
1839年にドイツ移民が開拓した村
ハーンドルフの歴史は、1839年までさかのぼります。
宗教的な迫害を逃れて、当時のプロイセン(いまのドイツ)から渡ってきたルーテル教会の移民たちが、この地を開拓しました。
町の名前の由来もすてきです。
移民たちを乗せてきた船の船長、ハーン氏(Captain Hahn)への感謝を込めて、「ハーンの村」=ハーンドルフと名づけられました。
メインストリート(Main Street)沿いには、樹齢100年を超えるエルム(ニレ)やプラタナスの並木がつづきます。
その足もとには、木組みが美しい伝統的なドイツ建築(ハーフティンバー/Fachwerk)が、大切に手入れされながら今も残っています。
アデレードから日帰りで行ける近さ
ハーンドルフの魅力は、なんといってもアクセスのよさです。
アデレードの中心部(CBD)から、車ならわずか約30分。アデレード・ヒルズの緑を抜けていくドライブそのものも、気持ちのよい時間でした。
車がない場合も、市内から路線バス(864番など)に乗れば、乗り換えなしでメインストリートまで行けます。
所要時間はおおむね1時間ほどが目安です。
※バスの番号・所要時間・運行間隔・運賃は変わることがあります。最新の情報は、おでかけ前にアデレード・メトロ(Adelaide Metro)の公式サイトで確認してから向かうと安心です。
本場のドイツグルメを味わう|German Spoonでのランチ

ハーンドルフに来たら、やはり楽しみは本場のドイツ料理です。
わたしたちは、メインストリート沿いの「German Spoon(ジャーマン・スプーン)」でランチをいただきました。
店先には「HB TAP BEER」「GERMAN Family FEAST」の看板が掲げられ、気軽に入れる雰囲気です。
デイリースペシャルのコスパが良かった

まず目をひいたのが、お店の前に立てられた黒板でした。
「DAILY SPECIALS $12.90 only(デイリースペシャル、1皿12.90ドルのみ)」の文字。
約1,290円で本場の味を楽しめるとあって、迷わず決めました。
わたしたちが選んだのは、ガーリックプロウンパスタ(海老のクリームパスタ)と、ジャーマンソーセージ&マッシュ(ドイツソーセージ+マッシュポテト+サラダ)の2品です。


ガーリックプロウンパスタは、ぷりっとした海老とクリームソースがからんで、パルメザンチーズの風味も豊か。ジャーマンソーセージは、皮はパリッと、中はジューシーで、なめらかなマッシュポテトとの相性が抜群でした。
どちらも、この価格とは思えない満足感です。
※価格は訪問時点の目安です。為替変動により円換算額は変わります(1AUD=100円で計算)。最新のメニュー・価格・営業時間は、公式情報でご確認ください。
わたしたちは外のテラス席で食べましたが、お店の中もおしゃれでした。

名前のスプーンが飾りになっていましたよ。
紅葉のビアガーデンでドイツビール

German Spoonの楽しみは、料理だけではありません。青いパラソルが並ぶ屋外のビアガーデンで、本場のドイツビールをいただけます。
いただいたのは、バイエルンの名門「HB(ホフブロイ・ミュンヘン)」の生ビール。
地元・南オーストラリアの老舗「Coopers(クーパーズ)」の瓶ビールもあり、本場と地元の飲みくらべも楽しめました。
頭上の並木は、赤や金色に色づきはじめたころ。

色づいた葉ごしに差しこむ光を眺めながらの一杯は、格別のひとときでした。

常夏の国で暮らすわたしにとって、この「秋のビアガーデン」という時間そのものが、忘れられないごちそうです。
ほかにも本場の名物が揃う
メインストリートには、German Spoonのほかにも、歴史あるドイツ風パブやベーカリーが立ち並んでいます。
わたしは実際にはいただいていませんが、この町の名物といえば、特大ポークナックル(豚すね肉のロースト)やソーセージの盛り合わせ。
焼きたての大きなプレッツェルや、ドイツ風のケーキ・ペストリーを扱うお店も人気だそうです。
食後に、強い蒸留酒「シュナップス」を一杯、という楽しみ方もあります。
石造りやレンガづくりの古い建物を使ったお店が多く、外観をながめて歩くだけでも絵になります。
次に訪ねるときは、名物のポークナックルにも挑戦してみたいと思っています。
本場オーストラリアのコーヒーで一息
街を歩いていて、うれしい発見がありました。オーストラリアは、世界でも指折りの「コーヒーがおいしい国」だということです。
ドイツ移民の町ハーンドルフでも、その実力は健在でした。
メインストリートで目に留まったのが、「German Inn(ジャーマン・イン)」というお店です。
看板には堂々と「The best coffee in town(町いちばんのコーヒー)」の文字。1839年創業をうたう、趣のある石造りの建物でした。

店内に入ると、むき出しのレンガ壁と古い木の梁、天井から吊るされたたくさんのビアジョッキが目に飛びこんできます。
ショーケースには、キャロットケーキやマフィン、アップルパイといった手作りのスイーツがずらり。
壁の黒板には「地元産のビールやワイン、ドイツソーセージもぜひ」と書かれていました。

オーストラリアのコーヒーといえば、この国生まれとも言われる「フラットホワイト」が有名です。
エスプレッソに、きめ細かなミルクを合わせた一杯。
こうした小さな町のカフェでも、一杯ずつていねいに淹れてくれるのが、この国のうれしいところです。
常夏のマレーシアから来たわたしにとって、色づいた並木を眺めながらいただく熱いコーヒーは、旅の疲れをやさしくほどいてくれました。
ドイツビールも名物ですが、車を運転する日や、ゆっくり街歩きを楽しみたいときには、こうしたカフェでのコーヒー休憩もおすすめです。
街歩きとお買い物|ドイツ雑貨・クラフトめぐり
おなかが満たされたら、次は街歩きです。
ハーンドルフのメインストリートには、小さなお店が100軒以上も並び、ドイツ直輸入の雑貨から地元のクラフトまで、見て回るだけでわくわくします。
ハト時計とクリスマス雑貨の専門店

とくに印象に残ったのが、ドイツ直輸入のハト時計(クックークロック)やクリスマスオーナメントが並ぶ専門店「German Cuckoo Clocks(Christmas Shop & Gifts)」です。
レンガ造りの建物の入口には、背の高いくるみ割り人形が二体、衛兵のように立っています。
屋根にはドイツの国旗がはためき、まさに「ドイツ村」の顔ともいえる一軒。
店内には、精巧なハト時計やビールジョッキ(シュタイン)、クリスマス飾りがずらりと並び、大人でも夢中になってしまいました。
地元の手しごとが集まるHahndorf Handmade

ドイツ直輸入の雑貨だけでなく、地元の手しごとに出会えるのも、この町の楽しみです。
「Hahndorf Handmade」は、地元のクラフトや南オーストラリアのお土産が集まるショップ。
旅の記念やおみやげ探しにぴったりでした。

ここで購入したラベンダーのにおい袋は、今でも枕に入れて使っています。

革製品や手作りキャンドル、お菓子を扱う小さなお店も点在していて、一軒ずつのぞきながら歩くと、あっという間に時間が過ぎていきます。
歴史と文化にふれるハーンドルフ・アカデミー

買い物のあいまに、町の歴史にふれられる場所にも立ち寄りました。「ハーンドルフ・アカデミー(Hahndorf Academy)」です。
150年ほどの歴史をもつ石造りの建物を活用した施設で、地元アーティストの作品展や、ドイツ移民の歴史を伝える展示を見学できます。
手入れの行き届いた緑の庭と、あたたかみのある石壁の建物そのものも美しく、ベンチに腰かけてひと休みするだけでも、心が落ち着きました。
ハーンドルフを楽しむコツ|回り方とベストシーズン
せっかく行くなら、いちばん美しい時期に、無理なく楽しみたいですよね。
ポイントは、紅葉が見ごろの秋をねらうことと、アクセスと所要時間を押さえておくことです。
いちばん美しいのは秋(4〜5月)の紅葉
ハーンドルフがもっとも輝くのは、秋。
南半球のオーストラリアでは、4〜5月ごろが日本の秋にあたります。
この時期は、メインストリートの並木が黄金色や赤に色づき、町全体がヨーロッパのような雰囲気に包まれます。
わたしたちが訪ねたときも、木々が赤や金色に染まりはじめ、それはそれは見事でした。
一年でもっとも人気の季節なので、この景色を目当てに訪れる人も多いようです。
※紅葉の見ごろは、その年の気候によって前後します。あくまで目安としてお考えください。
アクセスと所要時間の目安
回り方の目安をまとめると、次のとおりです。
- アクセス:アデレード中心部から車で約30分/路線バス(864番など)で約1時間・乗り換えなし
- 所要時間:メインストリート中心に、昼食+街歩き+買い物で半日(約3〜4時間)がちょうどよい
- おすすめ:午前中に到着してランチ、午後に街歩きと買い物、という日帰りプラン
アデレード滞在中の「もう一日、どこかへ行きたい」というときに、ぴったりの行き先です。
周辺もあわせて楽しむ
時間に余裕があれば、ハーンドルフの周辺にも立ち寄ってみてください。
車で数分のところには、有名なジャムブランドの直営店「ベーレンバーグ・ファーム(Beerenberg Farm)」があります。
ショップでの買い物のほか、時期によってはイチゴ狩り(おおむね11〜4月ごろ)も楽しめるそうです。
また、ハーンドルフのあるアデレード・ヒルズは、冷涼な気候をいかしたワインの名産地でもあります。
おしゃれなセラードア(試飲所)も点在しているので、車で訪れる場合は、運転する方の分の試飲は控えるなど、無理のない計画を立てましょう。
※ベーレンバーグ・ファームの営業時間やイチゴ狩りの時期、周辺セラードアの営業は、変わることがあります。事前に公式情報でご確認ください。
まとめ|アデレードから日帰りで「ドイツ」と紅葉を味わう

ハーンドルフは、アデレードから日帰りで行ける、オーストラリア最古のドイツ人町です。
本場のドイツ料理とビール、ドイツ直輸入の雑貨めぐり、そして秋には赤や金色に色づく並木。
ヨーロッパまで行かなくても、「ドイツ」の空気と紅葉を、半日でぎゅっと味わえる場所でした。
車でもバスでも気軽に行けるので、アデレードを訪ねる際は、ぜひ日帰りプランに組み込んでみてください。
南オーストラリアには、ほかにものんびり過ごせる場所がたくさんあります。あわせてどうぞ。

