マレーシアのホームスクール完全ガイド：メリット・デメリットと英語学習への効果

今回は、マレーシアのホームスクールについて、うちの次女の経験を交えながら詳しくご紹介します。

マレーシアのホームスクールにお子さんを通わせようか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

ホームスクール（ホームスクーリング）とは

ホームスクール（ホームスクーリングとも呼ばれる）は、従来の学校教育とは異なる教育形態です。

一般的に、家庭で保護者が中心となって子どもの教育を行う方法を指しますが、国や地域によってその形態は様々です。

そこで、世界各国のホームスクールの特徴を見てみましょう。

アメリカのホームスクール

アメリカで始まったホームスクールは、本来、家庭で親が教えるカリキュラムです。

通常の学校のように全員が同じペースで学ぶのではなく、個々の子供の能力に合わせて進めていくことができます。

このアプローチにより、アメリカでは、学習意欲が高く習得の早い子は、年齢に関係なく大学入学資格を得られ、ゆっくり学びたい子は自分のペースで勉強を進められます。

アメリカのホームスクールで教育を受けた著名人には以下のような人物がいます。

日本のホームスクール

日本では義務教育制度があるため、ホームスクールは欧米諸国とは異なる形で運用されています。

以下に、日本でのホームスクールの特徴とサポート体制についてまとめます。

学校への在籍義務

ホームスクールを選択する場合でも、小学校や中学校に在籍する必要があります。

多くの場合、不登校と同様の扱いになりますが、卒業は可能です。

高校卒業資格の取得

義務教育終了後は、「高卒認定試験」を受験することで、大学進学への道が開かれます。

つまり、学校に通わなくても、しっかりと学力をつければ進学の機会が得られるのです。

オンライン学習サービスの活用

ホームスクールでは親のサポートが不可欠ですが、親が直接教えるのは大変な作業です。

そこで、最近は、オンライン塾などのサービスを利用することで、親の負担を軽減しつつ、質の高い教育を受けることができます。

これらのサービスは、一人ひとりに合わせたカリキュラムを提供し、着実に学力を伸ばすことができます。

いきなり海外で英語のホームスクールに通わすより、まずは日本で同じようなサービスを受けてみるのもいいのではないでしょうか。

オンラインで受けられるホームスクールを、ひとつご紹介しておきます。

ここは、不登校用のサービスを提供していますが、ホームスクールにも対応しています。

ホームスクーリングコースでは、ICT教材を利用することで個別指導と合わせて、 出席・学習評価のガイドラインに則り、ティントルでの在宅学習を学校の出席扱いや学習評価にするサポートも行ってくれます。

興味のある方は、まずは以下のサイトから無料相談を受けてみてはいかがでしょうか。

きっかけを作る！【ティントル　不登校専門オンライン個別指導】

このように、日本のホームスクールは制度的な制約がありながらも、オンライン学習サービスなどを活用することで、効果的な教育を行うことが可能になっています。

日本でホームスクールを検討する際は、これらのサポート体制を上手に利用することが重要です。

マレーシアのホームスクール

マレーシアのホームスクールはさらに独自の特徴があります。

マレーシアでは、学校形式で先生と生徒が一緒に授業を行うのが一般的なんです。

次のセクションでは、うちの次女が通ったマレーシアのホームスクールについて詳しく解説していきます。

マレーシアのホームスクールの特徴

マレーシアのホームスクールは、一般的な学校とは異なるユニークな特徴を持っています。

その主な特徴はこちらです。

ひとつずつ解説します。

英語での教育

マレーシアの公用語は実際にはマレー語ですが、英語も広く使用されており、特に教育分野では重要な言語となっています。

そのため、ほとんどのホームスクールが英語で授業を行っています。

日常的に英語を使用する環境に身を置くことで、自然に英語でコミュニケーションを取る力が身につきます。

ただし、最初から高度な英語力が求められるわけではありません。

 

多くのホームスクールでは、英語力に応じたサポートも提供しています。

重要なのは、お子さんが英語を使う機会を恐れずに、積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿勢です。

国際的な教育プログラム

マレーシアのホームスクールの大きな特徴として、国際的に認められた教育プログラムを採用していることが挙げられます。

主に以下の2つのプログラムが一般的です。

これらのプログラムは、世界中の大学で広く認められており、将来的な海外留学や国際的な進路選択の可能性を広げます。

例えば、私の次女が通っていたホームスクールはアメリカのカリキュラムを取り入れており、最終的にはSAT取得を目指していました。

次女が使っていた教材はこちらです。

こちらの教材はアメリカのACEという機関が出しているものです

最終的に目指すのが日本の高卒認定試験と同じアメリカの「SAT」という試験。

この点数で大学に行くことも可能です。

進学先によっては別途IGCSEの取得が必要になる場合もあるので、将来の進路を考慮してプログラムを選択することが重要です。

ただし、SATを認めている国へ留学する場合は問題ありません。

柔軟な学習スタイル

マレーシアのホームスクールでは、生徒一人ひとりが自分のペースで学習を進めていきます。

これは、従来の学校システムとは大きく異なる点です。

具体的には、同じ教室で学んでいても、生徒それぞれが異なる進度で勉強を進めています。

理解が早い生徒はどんどん先に進むことができ、じっくり時間をかけて学びたい生徒は自分のペースでゆっくり進めることができます。

教室では生徒たちが個々の机に座って自分のペースで勉強し、分からないところは先生や友達に質問するというスタイルです。

この学習スタイルにより、生徒の自主性や自己管理能力が育つことが期待できます。

ただし、この自由度の高さゆえに、自制心が必要になります。

 

自分で勉強しようと思わない子は怠けてしまう可能性もあるので、周りのサポートや見守りも重要になってきます。

学校行事の存在

ホームスクールというと、社会性の育成に不安を感じる方もいるかもしれません。

しかし、マレーシアのホームスクールでは、普通の学校同様、さまざまな学校行事が行われています。

次女のスクールでは、運動会やコンサートのような行事は、生徒たちが協力して何かを成し遂げる良い機会となっていました。

これらの行事を通じて、友達との絆を深めたり、自己表現の場を得たりすることができます。

また、こうした行事は保護者にとっても、お子さんの成長を実感できる貴重な機会となります。

このように、マレーシアのホームスクールは、学習面だけでなく、社会性の育成にも配慮した教育環境を提供してくれます。

お子さんの個性や学習スタイルに合わせて、柔軟な教育を受けられることが、マレーシアのホームスクールの大きな魅力と言えるでしょう。

ホームスクールのメリットとデメリット

うちの次女はホームスクールに入ってよかったと思っていますが、ホームスクールはやはりまだ特別な教育法です。

メリットだけでなくデメリットも感じるので、それをご紹介します。

ホームスクールのメリット

私が次女をホームスクールに通わせて、メリットに感じたことは以下の4つです。

順番に詳しく解説します。

自分のペースで勉強できる

ホームスクールの最大のメリットのひとつは、生徒が自分のペースで学習を進められることです。

通常の学校では、クラス全体で同じ進度で勉強しなければなりませんが、ホームスクールではそうした制約がありません。

理解が早い生徒はどんどん先に進むことができますし、じっくり時間をかけて学びたい生徒は自分のペースでゆっくり進められます。

これにより、各生徒の理解度に合わせた効果的な学習が可能になります。

うちの次女の場合も、自分のペースで勉強できることで、無理なく着実に知識を身につけていくことができました。

特に英語の学習では、自分の理解度に合わせて進められたことが、大きな成果につながったと感じています。

自主性が育つ

ホームスクールでは、基本的に生徒自身が勉強を進めていく必要があります。

これは一見大変そうに思えますが、実は自主性を育てる絶好の機会なのです。

ホームスクールの学習スタイルは、基本的に個人で勉強し、分からないことがあれば友達に聞く、それでも解決しない場合は先生に質問するというものです。

このプロセスを繰り返すことで、自分で考え、行動する力が自然と身についていきます。

特に年齢が上がると、下級生を教える立場になることもあり、責任感や自信も育ちます。

末っ子で甘えん坊だった次女が、しっかりとした性格に変わり、何にでも積極的に挑戦するようになったのは、この学習環境のおかげだと確信しています。

勉強内容を選択できる

ホームスクールのもうひとつの大きなメリットは、勉強内容をある程度選択できることです。

通常の学校では決められたカリキュラムに従わなければなりませんが、ホームスクールでは生徒の興味や将来の目標に合わせて、学習内容をカスタマイズできます。

例えば、科学に興味がある生徒は、より深く科学の勉強に時間を割くことができますし、芸術を志す生徒は、芸術関連の科目により多くの時間を使えます。

次女の場合も、英語と数学に重点を置いた学習プランを選択することができました。

これにより、彼女の得意分野をさらに伸ばすことができただけでなく、苦手な科目にも効果的に取り組めました。

この柔軟性は、生徒の個性や才能を最大限に引き出すのに役立ちます。

英語力が飛躍的に伸びる可能性が高い

マレーシアのホームスクールの多くは英語で授業を行うため、英語力を大きく伸ばす絶好の機会となります。

日常的に英語を使用する環境に身を置くことで、自然に英語でコミュニケーションを取る力が身につきます。

また、国際的な教育プログラム（IGCSEやSATなど）を採用しているホームスクールも多いため、アカデミックな英語力も同時に養えます。

さらに、クラスメイトや先生との日々のやりとりを通じて、実践的な英語力も身につきます。

ただし、これはすべての生徒に当てはまるわけではありません。

英語学習に積極的に取り組む姿勢が重要です。

次女の場合、最初は苦労しましたが、徐々に自信をつけ、今では英語で自由に表現できるようになりました。

ホームスクールのデメリット

ホームスクールでデメリットになると感じたこともあります。

それが以下の3つです。

ひとつずつ説明します。

ホームスクールを認めていない国が多い（日本も含む）

ホームスクールは世界的に見ると、まだ一般的な教育形態とは言えません。

多くの国で正式な教育システムとして認められておらず、日本もそのひとつです。

このことは、将来的な進路選択に影響を与える可能性があります。

例えば、ホームスクールで学んだ後に日本の大学に進学しようとする場合、高卒認定試験を受ける必要があります。

また、海外の大学への進学を考える場合も、入学要件を慎重に確認する必要があります。

うちの次女がオーストラリアの専門学校への進学を考えた際、ホームスクールの修了証明では入学要件を満たせず、IGCSEの証明が必要となりました。

その時、オーストラリアの学校へ問い合わせたときの回答は、こちらです。

という事で、次女は引き続きIGCSEで必要なクレジットを取るために、勉強を継続しました。

このように、ホームスクールを選択する際は、将来の進路を見据えて、必要な資格や試験について事前によく調べておくことが重要です。

自制心がない子は怠けてしまう可能性がある

ホームスクールの大きな特徴である自由な学習スタイルは、自制心が不足している子どもにとっては逆効果になる可能性があります。

通常の学校のように厳格なスケジュールや監督がないため、自分で勉強する意志が弱い子どもは怠けてしまうからです。

うちの次女は幸い自主性が育ち、積極的に学習に取り組みましたが、すべての子どもがそうとは限りません。

周りの適切なサポートと見守りが不可欠です。

また、学習内容や進度を自分で選べる柔軟性も、時として不適切な選択につながる可能性があります。

例えば、苦手な科目を避けて通ってしまうなどです。

これらの問題を防ぐためには、周りが子どもの学習状況を把握し、適切な指導やモチベーション維持のサポートをすることが重要です。

マレーシアでは学生ビザが取得できない

マレーシアでホームスクールに通う際の大きな障壁のひとつが、学生ビザの問題です。

マレーシアのホームスクールは教育省の正式な認可を受けていないため、学生ビザを取得できません。

そのため、長期滞在を希望する場合は別の方法を考える必要があります。

選択肢として、親が別のビザを取得し、子どもを付帯させる方法です。

しかし、MM2Hや起業ビザなどの取得条件は厳しく、すべての家庭で実現可能とは限りません。

この問題により、多くの日本人家庭にとっては、夏休みや春休みを利用した短期留学という形でマレーシアのホームスクールを経験するのが現実的な選択肢となっています。

長期的なホームスクール体験を希望する場合は、ビザの問題を含めた滞在方法を慎重に検討する必要があります。

日本でできる準備：オンライン英会話の活用

そして、マレーシアのホームスクールだけでなく、マレーシアの教育移住で成功するためには、事前の英語準備が欠かせません。

できるだけ、現地ですぐに子どもが気おくれしないよう、事前に英語を話す機会や、外国人の方と接する機会を増やしてあげることが重要だからです。

オンライン英会話なら、自宅で気軽にネイティブスピーカーと直接会話ができるので、忙しい家庭でも取り入れやすいでしょう。

特におすすめの子ども専用のオンライン英会話サービスはこちらです。

これらのサービスを利用することで、マレーシアへの語学留学の準備ができます。

マレーシアのホームスクール完全ガイド：メリット・デメリットと英語学習への効果のまとめ

今回は次女が通ったホームスクールについてご紹介しました。

マレーシアのホームスクールは、以下の理由で英語学習に大きな効果があると感じます。

ただし、ホームスクールを選ぶ際は、子どもの性格や家族の状況、将来の進路などをよく考慮することが大切です。

また、日本にいるうちから英語の準備を始めることで、よりスムーズにマレーシアでの学習生活をスタートできるでしょう。

お子さんの可能性を広げる選択肢のひとつとして、マレーシアのホームスクールを検討してみてはいかがでしょうか？

よくある質問 Q&A

ホームスクールについて、よくある質問にお答えします。

またお問い合わせにいただいた質問についても回答しています。

質問者様の了承を得てここで紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

質問：マレーシアのホームスクールの数はどのくらいありますか？

実際の問い合わせ内容：こんにちは。ブログ拝見いたしましてメッセージを送らせてもらいました。

ホームスクールに通われたお子さんの学校のことに興味がございます。マレーシアではホームスクールが選択肢の一つとして認知されていると伺っておりますが学校の数は結構あるのでしょうか。

インターネットでいろいろと検索をしましてもなかなかよくわからず、もしご存じでしたら教えていただけたらとてもうれしいです。よろしくお願い申し上げます。

回答：ブログを訪問頂き誠にありがとうございます。

ホームスクールに興味をお持ちという事ですが、私の住むペナン島で知る限り人気のホームスクールは3校ほどあります。

http://pinanglearningcenter.com/
https://www.lighthouseacademypenang.com/
https://esolhomeschooling.com/

また噂では他にもちらほら聞いておりますが、実際に運営されているか
まだ存続しているか定かではありません。

ホームスクールは教育省の認可を受けておらず誰でも開校できるようです。
そのため少人数で開いている人もいます。

現地でのホームスクールの位置付けは「ホームスクールに通っている」というと
みんな「あっそうなの」とういう感じです。
私立の学校のひとつとでも思っているようで、ホームスクールがどんなところなのかはよく分かっていない人が多いです（＾＾；）

これからもお役に立てる情報をお届けさせていただきたいと思っておりますので、引き続きブログ応援頂ければ嬉しいです。

ホームスクールでの学習内容は公立学校と同じですか？

回答: ホームスクールによって異なりますが、多くはIGCSEやSATなどの国際的な教育プログラムを採用しています。

公立学校とは異なりますが、インターナショナルスクールでは、これらのカリキュラムを教えています。

ホームスクールでの学習は大学進学に不利になりませんか？

回答: 必ずしも不利にはなりません。

ただし、進学先の要件をよく確認し、必要な資格（IGCSEなど）を取得することが重要です。場合によっては追加の試験や証明が必要になることもあります。